【Davos Course】AO Trauma Masters Course -Current Concepts- Lower Extremity II (Tibial Plateau to Pilon) (With Human Anatomical Specimens) 参加者レポート Davos, Switzerland, 2025/12/7~12 井手 亮太 先生 (東京都立多摩総合医療センター)

2025年12月7日から12日にDavosで開催されたAO Trauma Masters Course -Current Concepts- Lower Extremity II (Tibial Plateau to Pilon) (With Human Anatomical Specimens)に参加いたしましたので、その内容をご報告いたします。

写真 1 Davos congress center(本会場)

 初日はRegistrationとOpening Ceremonyのみが行われ、12月8日よりコースが開始されました。コースは5日間にわたり、午前・午後それぞれ1ずつ、計10個のModule (Tibial Plateau, Complex Tibial Shaft, Complex Malleolus, Pilon, Nonunion and Malunion, Fragility Fracture, External Fixation, Infection, Cadaver: Tibial Plateau, Pilon)で構成されていました。さらに、Practical ExerciseやSHARD sessionなどもあり、非常に密度の高いプログラムでした。

 各ModuleはLecture、Interactive Case Panel Discussion、Small Group Discussion を中心に構成されていますが、Lecture 中にも参加者が積極的に発言する場面があり、会場全体を交えた討論となる場面もありました。Small Group Discussion では、30 人強の参加者が 4 つのグループに分かれ、私のグループのメンバーは、フィンランドやデンマークなどの北欧諸国、レバノン、台湾などから参加していました。各国の医療事情や参加者の病院の体制について伺えたことも、大変有意義でした。特にFragility Fracturesにおいては、高齢者骨折に対するアプローチ、とりわけ早期手術が可能なチーム体制が国ごとに全く異なっていることが印象的でした。

写真 2 Spital Davos Hospital(Cadaver会場)

 Cadaverトレーニングは、本コースに参加した目的の1つでした。Tibial PlateauおよびPilonに対する各アプローチを、半日ずつ2日間に分けて、本会場からバスで約10分のSpital Davos Hospitalにて実施しました。Facultyによるデモンストレーションの後、3人1組で各アプローチを交代で行う形式でした。Tibial Plateau では、前日に行われた Posterolateral Plateau に関する Panel Discussion を踏まえ、後外側アプローチを実際に経験しました。Lateral Femoral Epicondyle OsteotomyやFibula Osteotomyでは、Facultyとともに解剖や手技の確認ができ、OsteotomyのTipsもご指導いただきました。T. Apivatthakakul先生からModified Posterolateral Approachを直接ご指導していただけたことは、非常に貴重な経験でした。Pilonでは、4つのアプローチ(anteromedial, anterolateral, posteromedial, posterolateral)を1つずつ丁寧に確認していく構成でした。S. Nork先生に軟部組織の扱い方や、より良い整復を行うためのアプローチについて解説していただきました。各アプローチにおいて、自身の展開が不十分となる要因をFacultyから直接ご指導いただけたことは、大変貴重な学びの機会となりました。また、休憩時間や空き時間には、参加者同士で実際の体位や縫合方法などについて意見交換を行うことができました。Small Group Discussionとは異なる参加者構成であったため、新たな交流を深めることができました。

 事前には想像できなかったSHARD sessionも、非常に有意義なプログラムでした。会場にはガラス張りの手術室(wet lab)があり、cadaverを用いてFacultyが解説しながら手術シミュレーションを行います。Complex Tibial Plateau症例を、Small Group Discussion、Practical Exercise(Computer software demonstration)としてVRを用いた3D-CTによる術前計画、さらにSHARD Sessionへと段階的に進める構成であったため、術前計画から手術に至る一連の流れを深く理解することができました。S. Nork先生、R. Pires先生、D. Taype Zamboni先生たちの手術手技や整復に関する議論は大変勉強になりました。また、休憩時間に他コースのSHARD sessionも見学することができました。

写真 3 懇親会(宮本先生、峰原先生、善家先生)

 ハードなスケジュールだと身構えていましたが、5日間はあっという間に終わっていました。Davos Courseでしか得られない貴重な経験に加え、各国の整形外傷医との交流を通じて、たくさんの刺激を受けました。

 最後に、FacultyをはじめとするDavos Courseに携わったすべての関係者の皆様、ならびに本コースへの参加を支援してくださいました病院の皆様に感謝申し上げます。また、宮本先生、峰原先生、善家先生には、コース内外を通じて現地にてご指導とご助力を賜り、心より御礼申し上げます。