AO Trauma Course―Advanced Principles of Fracture Management 新横浜プリンスホテル, 2024/2/15~17 福永 幹 先生 (宮崎大学附属病院)
この度、2024年2月15日~17日に新横浜で開催された、AO Trauma Course―Advanced Principles of Fracture Managementに参加させていただきました。半年前に開催されたBasic Courseに参加させて頂き、骨折の基礎・治療について学び、今まで自分は何となく骨折治療をしていたのだということを深く痛感させられました。それと同時にfacultyの先生達のようなphilosophyを持った外傷外科医を志したいと思うようになりました。今回、より外傷治療の知見を広め、philosophyを持った外傷外科医になりたいと思い、コースの参加を希望しました。
コースは各分野のレクチャー、症例ごとに議論するsmall group discussion、模擬骨を用いて実際の手技を経験できるpractical exerciseで構成されています。
レクチャーは基礎の復習から始まり、各骨折部位の各論、治療法、合併症まで多岐に渡り、新たな知識や知見に触れることが出来ました。それと同時に自分の骨折に対する知識の薄さを反省させられました。AOの理論に立ち返れとの言葉があるようにどんな難渋症例も基礎を疎かにしてはいけないということを肌身で感じました。
small group discussionではfacultyの先生達に提示して頂いた症例を議論しました。一番楽しみしていたsessionであり、以前のBasic Courseでは周りの先生達に圧倒され、尻込みしていた私ですが、今回は臆せず発言していくことを心掛けて臨みました。色々な症例を深掘りし、様々な視点から治療方針を検討することが出来、白熱した議論を交わすことができました。同じ志をもった同年代の先生達と意見交換ができたことも非常に貴重な経験でした。英語が拙いため、自分から積極的に海外のfacultyの先生達へ質問が出来なかったのが心残りではありましたが、英会話教室へ通うのを決意する良い機会となりました。
practical exerciseでは、粉砕した関節内骨折をどのようにして内固定を行うかレクチャーを頂きながら、2人1組で段階的に治療を行いました。モニター上でしかお目にかかれない先生方と直にお話しができ、どのような質問に対しても丁寧にお答えして頂き、「疑問を持ち帰らないように」という言葉を体現しているレクチャー内容となっていました。展開-固定まですべての手技が直結しており、ひとつの綻びが後々の最終固定に影響し、術前計画の重要性を改めて思い知りました。
今回のコースを終えて、改めて自分は骨折治療が好きなのだということを再認識することができ、自身の今後の整形外科人生において進むべき道を考えさせて頂く良い機会になったと思います。
最後になりますが、chairpersonの野田知之先生はじめfaculty、table instructorの先生、AO Japanスタッフの皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。