AO Trauma Course – Advanced Principles of Fracture Management Kobe, 2015/2/19 - 2/21 籾井 健太先生 (九州大学病院)

AO Trauma Course-Advanced Principles of Fracture Managementへの参加は、私にとって大変大きな喜びでした。思い返せば消化器外科医になろうと考えていた研修医時代。外傷の魅力に引き寄せられ、整形外科の門をたたきました。尊敬する上級医より、AOコースの存在を教えてもらい、大変興味深い理論と系統だった教育方法、そして教える先生方の外傷に対する熱意に触れ、自分の歩むべき道を再認識したものでした。はやくアドバンスコースを受けることができるレベルまで成長したいとモチベーションを高めてきたわけです。

本コースはそんな長年の期待を裏切ることのない実に充実した3日間でありました。講義に関してはAOのコンセプト、理論の再確認から始まり、上腕・肘関節・前腕・手関節と細分化された内容へと進んでいきました。自分の上肢に対する知識の薄さと狭さを大変反省させられました。次いで高齢者、非定型骨折、人工関節周囲といった、忘れてはならない分野を触れつつも、2日目の下肢分野に入っていきます。大腿骨の近位・骨幹部・遠位、脛骨近位・骨幹部・遠位、足関節顆部は自分の好きな分野であるからこそ、新たな知識や知見に触れることが出来る喜びを感じると共に、日常診療を振り返る大変興味深い講義でありました。最終日はそれほど多く経験していない足部分野の理解を深めた後に、自分が最も興味がある開放骨折・骨盤骨折・偽関節・感染・多発外傷の講義へと進んでいきました。まさに外傷における全分野といっても過言ではないほどの充実した配分であり、その網羅された分野を一流講師陣が日本中のみならず、海外からも来られて講義をしてくださるわけです。大満足とならないわけがありません。

勿論、講義だけではありません。講義の合間に入れられているGroup case discussionも大変面白く参加させて頂きました。日頃の疑問を講師陣や参加者間でぶつけあい、白熱したdiscussionができたのではないかと思います。もっともっと討論し合いたいと、時間が足りないなと、感じるぐらいでした。自分より「advanced」な方々の刺激を受けるとてもいい機会になりました。
Practical exerciseもすばらしく、各関節内骨折の骨モデルを用いて楽しくできましたし、多くの交流を持てたように思います。

最後に、本コースに参加できたことは大変光栄で幸せなことでした。まだまだ自分が未熟であることを再確認させて頂くことができ、次への前進を後押ししてもらえる良い機会になったと思います。このような機会を与えて下さった講師の先生方やスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。更なる研鑽を積んで、次なるコースを受講したいと思います。