AO Trauma Courses- Basic & Advanced Principles of Fracture Management Kobe, 2017/8/24-26 山下 正臣先生 (船橋中央病院)
2017年8月24日から26日まで神戸で行われたAO Trauma Course-Basic & Advanced Principles of Fracture ManagementにTable Instructorとして参加させていただきましたので、ご報告いたします。 私は、研修医時代にAO Trauma Japan の Founder の一人である君津中央病院 田中正先生のもとで研修しAO法に基づいた骨折治療を学べたことで、AOの原理原則に沿った骨折治療に興味を持つことができました。2003年に Advanced Course を終了した後、千葉大学大学院を経て2009年4月よりJCHO船橋中央病院で勤務しています。脊椎脊椎外科を専門としてはいますが、当院の規模では脊椎の手術だけをしていればいいという身分にはなれず、実際に自分が執刀する機会は減ってきておりますが外傷治療および後輩への指導を中心に行っております。 Table Instructorの仕事は、コース前日17時よりFaculty meetingに続きInstructor meetingがあり21時過ぎまで行われました。受講生に対する講義の打ち合わせとしての側面もありますが、各々のTable Instructorが自分の経験に基づく回答をしないように、事前にAO Video を視聴し、FAQによる想定問答集が配布されていたので、事前学習での疑問点を確認できる場でもありました。
コース初日は7時半よりFaculty meetingがあり、International Faculty、Regional Facultyとの打ち合わせを行い9時から講義が始まりました。AOの講義では以前から、Audience Response System (ARS) が取り入れられておりましたが、現在も変わらず続いておりました。一方通行の講義では私などすぐ眠気を催しますが、同様の方も多いのではないでしょうか。AOCourseでは、随所にARSを取り入れることで、常に緊張感をもって聴講できるよう工夫されております。Table Instructorも自分の仕事がない時は、講義やSmall Group Discussionの聴講が可能です。初っ端の仕事はAO Skills Labで、Techniques of reductionを担当しました。実際の臨床と結びつきやすい骨折の整復に関するブースで、整復のテクニックや整復に使用する様々な鉗子を使うことができるので、特に若い受講生の興味を引き大変になることが予想されました。しかしながら、まだ初日であり、分からないことばかりで一緒に担当していただいた自治医大の松村先生には大変ご迷惑・ご面倒をおかけしました。Practical Exerciseを終え、初日の晩には、Course receptionがあり実習中とは違った意味で受講生との交流を深めることができました。2日目は、8時より18時近くまでほとんど休憩時間がなくPractical Exerciseが行われましたが、終了後にFaculty dinnerがあり、おいしい食事ができたこともさることながら、実習中にはゆっくり話すことができなかった他大学の様々な先生方と仕事を離れお話しできたことも大変な収穫でした 。
最終日も同様に、8時よりPractical Exerciseがありましたが、3日目ということもあり大分心にも余裕ができ落ち着いて仕事ができたように思います。Practical Exerciseの内容は3日間を通してBasicには、基礎的なスクリューやプレートの使い方をはじめ、日常診療で遭遇することの多い骨折に対する整復固定のテクニックなどがプログラムされており、受講生は病院に戻ったらすぐにでも実際に使用したくなるような内容でありました。一方、Advancedでは、少し難易度の高い骨折がプログラムされており、3次救急病院でないと年に数例しか遭遇しないような複雑な骨折もあり、受講生の中には一度も経験したことがないと言っている方もいました。それでも、実際に自分の前に症例が来た時を想定して一生懸命実習されていたのが印象的でした。 この度、Table Instructorとして参加させていただきはしましたが、私自身が現在行っている骨折治療の整理および再確認ができたことに加え、Advanced Course 終了後2回ほどコースの聴講はさせていただいておりましたが、改めて最新の治療法についても学ぶことができ、とてもいい経験になりました。最後になりましたが、推薦していただいた君津中央病院の田中正先生、コース中にお世話になった諸先生方、AO Trauma Japanの関係者の皆様に深謝いたします。