Faculty Education Program Tokyo, 2018/4/14 – 4/15 唐澤 善幸先生 (総合大雄会病院)

2018年4月14-15日に東京で開催されたFaculty Education Program(FEP)に参加する機会をいただきました。このコースは名前の通りFacultyとしての教育論について学ぶコースです。AOコースには、これまでにテーブルインストラクターとして2002年から参加させて頂き、2008年からは教育委員として参加してきましたが、参加する度に指導することの難しさを痛感してきました。昨年、海外のこのコースに参加した先生達から、そこで学んだ内容や実習について聞いた際に、新鮮に思い機会があれば参加してみたいと思いました。しかし、他国の人と英語でディスカッションすることの大変さも話していたので自分には縁がないかと諦めていました。しかし、今回同コースが日本で日本人だけを対象に開催されるというので申し込んだしだいです。

事前学習があることは聞いていましたので覚悟はしていました。それは2月23日からのTest Moduleに始まりその後3月9日から5週間にわたり毎週新たな課題が出ました。スライド作成における注意点など役立つ内容がたくさんありました。そのほかビデオを見たり、文章を読んだりして答えるクイズなどかなりな量でした。
私としては仕事の合間にコツコツやったつもりでしたが、こういう時ほど手術や雑務で忙しくなるものでなかなか大変でした。まあ英語力があればすぐ終わる内容なのかもしれません(プログラムには目安として約2-3時間と記載されていました)。しかし私にとってはかなり時間を要する物でした。そのためネット上でのディスカッションにもあまり参加できませんでした。

そのような調子で準備不足感を持って臨んだので当日はかなり緊張しました。朝7時半と早朝から開始でした。Facultyは香港、シンガポール、オーストラリアからの3人、参加者は17人(残念ながら一人病欠)でしたが参加者の多くはなじみのメンバーでした。輪になって座り進んでいくのですがずっと英語で進んでいくので顔なじみなのに思うように話せないという不思議な状況でした。
Module 1は、Principle of quality educationで、自分にとっての優れた教育的についてのエピソードを各自発表していきながら教育の7原則について学びました。言いたいことがすぐに言えずもどかしい気持ちがありました。聞いているFacultyの先生も早くしゃべってくれと同じようにもどかしさを感じたでしょうが。
Module 2はGiving a lectureで、準備していたプレゼンテーションを順番に発表しました。このスライド準備と原稿作成も大変でした。スライドはシンプルで6行以下にするようガイドに記載されていたので原稿を書き込んで読むことはできませんので暗記すべく繰り返し練習しました。しかし、途中少し飛んでしました。終わるとModule1で学んだ4 step feedbackに従ってお互いに評価しあいました。このfeedbackシステムをコース中ずっと使うのですがこれが私にとって難関でした。このシステムでは、まず自分で何が上手くできたかをいい、次に評価者が同様によかった点をいいます。それから同じように交代で次回どうするかを言うという流れです。実際には、AOコースでも参加者に否定的な事を言わずポジティブな指導をしているのですが、私自身は「失敗から学ぶ」ネガティブ思考派で後悔を背負って次に向かっていくタイプですので頑張ってよかった点を探し改めて言うという行為が非常に難しかったです。
昼食後Module 3はFacilitating small group discussionsでした。ここでも用意した症例を元にディスカッションを進めていきます。英語なので普段のコースでやっているようには進みまず、結局時間内に終えることができず途中で終わりました。そしてその後にはやはり4 step feedbackに従って評価です。この時は全く良かった点が浮かびませんでした。 夜は会場そばの高層ビルで食事会でした。思い切り日本語が使えて楽しく飲むことができました。

2日目はModule 4 – Teaching practical skillsから開始です。インストラクター役と受講者役、そして評価者を交代にしていき、その都度Feedbackをしていきます。インストラクター役も英語でしなければならず、受講者からの急な質問に対して反応できず辛かったです。
最後にまとめのセッションがあって終了しました。

始まるまではかなり緊張し、初日は早く帰りたくなる状態でしたが始まってしまうとあっという間に終わってしまいました。かなり集中力を必要とし精神的に疲れました。終了時には、各自発表映像の入ったUSBが配られました。見る度に後悔ですが、モチベーションアップにもなる良いお土産となりました。
このコースに参加して、非常に勉強になったし貴重な体験をしました。しかし、Module 2.3.4は実習のみで事前説明はなしで、受講前のe-Learningですべて学んでおく必要があると思います。実際には参加者毎に進行度合いが違い学習用ビデオを見て準備していたことが生かせないこともあり残念な面もありました。今後参加される方は、事前に勉強に十分時間をかけることをお勧めします。まだ、資料は残っているので今後も適宜参考にして今後のAOコースをはじめとした教育現場に生かしていきたいと思います。
人数が限られている中、参加の機会を与えてくださった関係者の皆様に感謝いたします。