Leeds Teaching Hospitals NHS trust, UK, 2025/8/18〜9/26 小野瀬 喜道 先生 (聖マリアンナ医科大学 整形外科学講座)

この度、イギリス・Leeds にある Leeds Teaching Hospitals にて、AO Fellow として 8 月 18 日から 9 月 26 日までの 6 週間 研修させていただきましたので、ご報告いたします。

Leeds を選択した理由としては、以前 AO Masters Course に参加した際、Peter Giannoudis 先生が講師を務めておられ、その紳士的なご対応と困難な症例に真摯に向き合う姿勢に強く感銘を受けたことが大きなきっかけとなりました。

渡航前の手続きについては、他の Fellow の先生方と同様に苦労しました。必要書類が多く、事前に準備を進めていたにもかかわらず、出発直前まで対応に追われることになりました。

Leeds Teaching Hospital

研修が始まると、毎朝 8 時から行われる外傷カンファレンスが非常に有意義でした。前日の症例レビューや当日の緊急手術、複雑症例の治療方針などが議論されており、非常に勉強になりました。

Leeds Teaching Hospitals には コンサルタントが 23 名、レジデントが約 50 名と多くの医師が所属しており、教育体制と症例数が非常に充実していました。手術は 4 系列で毎日 10〜15 件ほど行われており、外傷症例の多さにも驚かされました。また、院内にはさまざまな文化背景のスタッフが在籍しており、非常に国際的でオープンな雰囲気であったことも印象的でした。

Peter V Giannoudis 先生と

手術見学については自由度が高く、特に 骨盤・寛骨臼手術を継続的に見学できたことは非常に貴重な経験でした。Giannoudis 先生をはじめ、Kanakaris 先生など多くのコンサルタントの先生方が術中に丁寧に解説してくださり、理解が深まりました。さらに、Giannoudis 先生が提唱する Diamond concept に基づく偽関節手術を実際に複数例見学でき、理論と実践がつながる強い感銘を受けました。

Leeds は学生の街ということもあり、田舎すぎず都会すぎない落ち着いた都市で、滞在中はとても生活しやすい環境でした。治安も良く、普段の生活でも困ることはありませんでした。また、日本の食品を扱うスーパーもあり、生活面でも大変助かりました。

今回の研修を通して、外傷診療に対する考え方、術式選択、教育システムの違いなど、多くの学びを得ることができました。この貴重な経験を今後の臨床・教育活動に生かし、より質の高い医療を提供できるよう努めていきたいと考えております。

骨盤寛骨臼チームチーフのKanakaris先生と