Trustees Meeting USA, 2017/7/6 – 7/9 金谷 文則先生 (AO Trustee, 琉球大学)
2017 July 6-9 Florida Miami Beach city Eden Rock Hotelで開催されたTrustees meeting に参加してきました。
Miami Beach cityはMiami city のBiscayne湾を隔てた東側に位置し、5本の橋でMiami cityとつながる熱帯のリゾート地です。砂州を埋め立てて作られたため、砂浜は綺麗ですが海抜は0mに近くハリケーンでは床上浸水することもあるそうです(写真1)。
今回は私のTrusteeの5年目なので最後の参加になります(写真2)。
Opening receptionは11 11Lincoln通りの有名な建築家(Herzog)により建築された駐車場の5Fで行われ素晴らしい眺望でした(写真3)。
2012年にDePuy SynthesがJohnson & Johnsonに買収された後の、かなりの激動期にtrusteeを勤めました。
当初はAOが今までどおりfamilyであることを強調しており、何となく親睦団体の総会のような感じでしたが、2013年からAO Neuro (脳外科)、AO Recon (人工関節)が開始されました。この時もAO Neuro、AO ReconのfacultyがAOコースを受講しておらず、AO philosophyが維持できるかとの意見もありましたが、押し切られた形になり、従来の外傷・骨折を中心としたAO Traumaから離れてゆく印象がありました。
今年からAO Soft Tissueも始まるようです。Johnson & Johnsonが多分野にわたるため、navigationなどが使いやすくなるのは利点ですが、四肢外傷治療から離れ、AO philosophyが失われてゆくことを危惧します。
今回の招待講演Ritesh Patelは出色の講演でした。各産業分野に関係しているようです。
最初にUber (私もMiamiで初めて使いましたが、smart phoneから登録するとGPSを使って車が迎えに来て支払いはカードのみ、タクシーの半額 かなり便利)の話から始まり、ITの進歩により産業(Jumia)や医療(DEEP6 Mt Sinai)も劇的に変化しつつあることを強調した講演でした。
特に画像読影はパターン認識とdeep learningにより、5年後には放射線診断医の仕事がなくなる可能性を述べていました。パターン認識ができれば、画像読影や病理組織はITで判別可能になると思われます。現在でもZebramedical は乳がんの診断で91% accuracyがあります。また診断の面でもAmazon のAlexa やBaidu のMelodyが診察の補助として使われ始めています。Googleの Verily やMEDABLEなど血圧、脈拍、血糖の連続測定がsmart phoneを通して可能なことも紹介されていました。特に、1816年に開発された聴診器が基本的に変化していないことが信じられないとのコメントが印象的でした。
今回のtrustee meetingで日本人の参加は私だけでした。
来年のTrustees meetingはBasel Swissで、日本からのAO Trauma delegateには一層頑張って頂きたいと存じます。
写真1: Eden Rock Hotel からMiami beachの眺望
写真2: 今年で5年の任期が終了するoutgoing members 前列左president N Renner、中央筆者
写真3: Dinner 11 11Lincoln通の駐車場