AO Trauma Course―Advanced Principles of Fracture Management参加レポート 新横浜, 2023/8/24-26 大原 建 先生 (船橋市立医療センター)

この度、2023年8月24日〜26日に新横浜で開催された、AO Trauma Course―Advanced Principles of Fracture Managementに参加させていただきました。

私は7年ほど前にBasic Principles Courseに参加させていただきましたが、その後学年が上がり経験を積むごとに、後輩の指導を行う立場になったり複雑な症例を担当するようになり、一度基本に立ち帰り自分の知識を整理したいという気持ちがありコースの参加を希望しました。

コースは各分野のレクチャーと、グループに分かれ症例ごとに議論するsmall group discussion、そしてボーンモデルを用いて実際の手技を経験できるpractical exerciseにわかれています。レクチャーは基礎の復習からそれぞれの部位の各論、合併症の対応など広く網羅されており、得意な分野はさらに理解が深まり、苦手分野は知識を補い整理することができました。Small group discussionでは、facultyの先生に症例を提示していただき議論しましたが、基本的な症例から難渋症例まで幅広く、自分だったらどうするか常に考えながら参加することができ、チームの他の医師の意見も聴きながら議論することでとても勉強になりました。特に海外facultyの提示症例は経験したことないような難渋症例をご提示いただき、それを綺麗に治療されておりとても驚きました、また常に日本のfacultyがサポートしていただき、特に言語により理解ができないことはありませんでした。そしてpractical exerciseは、関節内骨折の症例を、段階的にどう組み立て内固定するかというレクチャーをいただきながら治療を行いました。骨が目の前にむき出しの状態でしたが意外と整復・固定が難しく、整復を作り上げていく過程や、細かいピットフォールなどはテーブルインストラクターの先生に教えていただき行いました。

どれも大変勉強になりましたが、一番参加して良かったと感じたのはfacultyの先生と直接色々なお話ができたことです。普段様々な場面でご活躍されている先生と、こんなに距離が近く議論し質問できる環境は、何よりも貴重な体験でした。とても気さくにお話を聞いてくださる先生ばかりで、外傷治療や教育への熱意を感じました。それが特に良い経験となったと感じております。

3日間とても充実しており、外傷治療について時間をかけてじっくり学べるとても貴重な機会となりました。直接得た知識・経験ももちろん有用ですが、グループでのディスカッションやfacultyの先生とお話しして得た治療に対する考え方などもとても参考になりました。日々の外傷症例に対し、さらに真摯に向き合い治療していこうという気持ちになりました。

最後になりますが、chairpersonの松村福広先生はじめfaculty、table instructorの先生、AO Japanスタッフの皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。