AO Trauma Course – Advanced Principle Course Pune, India, 2024/4/26-28 宮本 俊之先生 (長崎医療センター)

<海外特有の派手な会場設定>

2024年4月26日から28日までインドのPuneで開催されたAdvanced Principle Courseにregional facultyとして参加してきましたので、ご報告いたします。

インドでのコース参加は2回目ですが、前回が7年前で本当に久しぶりでした。International facultyとしてイギリスのJayne Ward先生、Reginal facultyとしてインドネシアのIsmail Hadisoebroto Dilogo先生の3名の海外組が8名のNational facultyと10名のTable instructorとともにコースを切り盛りしました。参加者は96名で、大半がインドからの参加でしたが、バングラディシュから20名、またイギリスからも3名ほど本国で受けるよりも格安ということで参加しておりました。日本と大きく異なることはPractical exerciseとsmall group discussionが半分の人数に分けられて、facultyは同じPEとSGDを2回繰り返すという講義以外は常にどちらかのタスクがあり、忙しい3日間でした。

<揃いのAOロゴ入りポロシャツで記念撮影>

7年前と大きく異なると感じたのは、インドの先生がどの症例でもCT撮影と言い切っていたのが新鮮でした。インドの経済成長と医療機器の充実具合を直に感じました。コースは独特のインド英語に翻弄されながらも、無尽蔵に繰り出される質問や意見に適宜対応しました。やはりインド特有の風習があるようで、色々な部分でAO法と異なる常識?があるようでしたが、海外組の他の2名の先生にも助けてもらいAOのコンセンサスを粛々と伝えました。

イギリスのWard先生は学生時代にGustilo IIIBの下腿開放骨折を受傷し、それがきっかけで外傷整形外科医になったというスーパーウーマンです。Mangled extremityの治療の際に足底の感覚が無いものは切断という意見が出た時に、LEAP studyのデータと共に、「私も今足裏の感覚はありませんが、こうやって自分の足で歩いています」と発言されて、会場が静まり返ったのは3日目のハイライトの一つでありました。

<Faculty dinnerの一幕>

日本と異なったのはCoachという役割があり、講義やPEの後にフィードバックを受けることができました。日本では馴染みがないかと思いますが、講義する側も常に向上する目的でAOが近年力を注いでいる役割で、初体験でしたが客観的に自分の講義を振り返ることができ、現状に満足してはいけないと改めて気を引き締めた次第でありました。

海外コースには色々なストレスがありますが、それを吹き飛ばすくらいの新しい発見と出会いがあり、これがAOの魅力の一つだとつくづく感じました。AO memberの皆さんは、このグローバルなネットワークの一員です。海外facultyを将来の目標にいかがでしょうか?