University Medical Centre of the Johannes Gutenberg-University Mainz, Germany, 2022/9/5-10/14 山本 乃利男 先生 (宮本整形外科病院)

当初2020年に研修予定でしたが、新型コロナウイルス感染パンデミックのため延期となり、 2022年9月に研修することになりました。渡航前にこれまでの研修レポートを読みました。長崎大学病院 江良允先生、同門である高知医療センター山川泰明先生、香川県立中央病院井上智雄先生には貴重なアドバイスをして頂き、現地での研修や生活について不安がない状態で研修することが出来ました。

Gercek教授と

マインツといえば、Pol Maria Rommens教授がFragility Fractures of the Pelvisを提唱し、Daniel Wagner先生とともに多くの論文を発信しています。当初両先生の元で学びたいとの希望で同院を選択しましたが、この待期期間中にPol Maria Rommens教授は退官され、Daniel Wagner先生は2022年7月にスイスの病院に異動されました。そして私はErol Gercek教授に指導して頂くことになりました。

朝のカンファ

 研修内容はこれまで研修された方とほぼ同じです。毎日7時30分のカンファから始まります。水曜日はミニレクチャーや現在実施している研究の紹介がありました。8時過ぎには手術室へ向かいます。手術室は4部屋あり、ほぼ毎日16時まで手術は目まぐるしくあります。手術は自由に見学でき、Oberarzteの先生方に相談すれば手洗いして参加可能です。16時からカンファがあり、17時ころに1日が終了します。カンファはドイツ語ですので理解できませんでしたが、画像をみてある程度理解することはできました。Hip fractureは休日を問わず早期手術が行われていました。

フェローが年に数名来る病院ですので、その対応には慣れていると感じました。診療やカンファで不明だった点は、若い先生が10人程度いますので、彼らに聞けば理解することが出来ました。診療以外の相談事は渡航前から連絡をさせて頂いていた秘書様に相談すれば解決しました。
 6週間で、骨盤寛骨臼骨折が週2例程度、四肢骨折はある程度網羅的に研修することが出来ました。大学病院ですので難治症例もありました。Gercek教授にとても親切に指導をして頂きました。Modified Stoppa approachを好まれていました。特に手術時の判断が早く、若い先生がミスをしたとしてもリカバリーできる技術は素晴らしかったです。
 Oberarzteの先生方と文献ベースに議論しました。現在の世界のスタンダードを踏まえたうえで、ドイツ、日本の違いを認識しました。ドイツの良さ、日本の良さがあるのだと実感しました。Oberarzteの先生方は自分の個室の部屋があり、そこで本や文献を基に議論できたことはとても勉強になりました。

1.FSV Mainz 05のサッカー試合観戦

研修外の話題としては、1.FSV Mainz 05 vs RB Leipzigのサッカー試合観戦をDominik Gruszka先生と行きました。マインツのホームゲームでした。土曜15時半から試合でしたが、サポーターはビールを飲みながら応援していました。サポーターの声援とリアクションの大きさが印象的でした。

最後に、宮本整形外科病院宮本院長をはじめ、留守中を支えて下さった諸先生方、AO Trauma Japan事務局に深謝いたします。今回の経験を生かし、今後の診療や研究へと役立てていきたいと思います。実際にドイツでの診療を見たり、考え方をディスカッションできたことはかけがえのないない経験となりました。何かマインツでの研修についてご質問がありましたら、お気軽にご連絡ください。