Table instructorを経験して

2016年2月18日から2月20日まで横浜でAO Trauma Combined Courseが開催され、Table instructorとして参加させていただきましたので報告いたします。

【コース前日~】前日の17時からFaculty meetingが開かれました。参加者はLocal facultyおよびTable instructor(TI)の先生方ほぼ全員です。まずは、AO skills labの打合わせから始まり、実際の会場でStation AからKまで、一つずつ本番さながらのリハーサルが行われました。各Stationの担当者がプレゼンテーションし、「より分かりやすく・伝えやすく」するために、その場でDiscussionを行い、大変勉強になりました。約1時間30分のリハーサル後、別室に移り今後のAOコースのカリキュラム、各委員会について熱心な討論がなされました。さらに、我々TIに向けての説明や教育が行われ、20時ごろに解散となりました。コース1日目は、朝7:30からFaculty meetingが行われました。今回の参加者は、海外からDr Shutz, Dr Hessmann, Dr Kagda, Dr Suの4名、日本からは30名のスタッフで構成され自己紹介およびスケジュールの確認後、AOTrauma Combined Courseがスタートしました。私はTIおよびAO Skills Labを担当しました。この仕事がないときは、自由に講義を聴講でき、初日の午前中は最初からAdvanced courseを聴講しました。AOコンセプト、MIO、基本的な手技やロッキングプレートの適応といった総論的な講義からはじまり、これからの各論に備える準備がなされ、参加者たちの心のエンジンをスタートさせ、Small group discussionへと移って行きました…。

【AO Skills Lab】 TIの仕事内容に関しては理解していましたが、AO Skills Labは初めての経験であり、何のこと?という感じでした。しかし、コース前に事前学習できるシステム(Off the job)があるため、AO Skills Labの内容等については理解することができ、自宅/病院のデスクトップで事前学習してから本番に臨むことができました。とは言っても、1グループにつき10分間で連なる11組をInstructor2人で交互に講義をしなければなりません。ペアとなったFacultyは旭労災病院 花林先生であり、花林先生のプレゼンをしっかりと観察し、ほぼコピーの状態で進行することが最初は精一杯でした。しかし、参加者とのDiscussionを重ねるうちにこのAO Skills LabにおけるInstructorの役割というものは、「何のためにこの実験を理解しなければならないのか?」「この実験は臨床ではどのように役立つのか?」「実際の臨床では何に相当するか?」などを参加者に考えさせ、体験実習してもらうことなのだと理解することができ、参加者に教育する楽しさというものを少しずつ感じながら進行することができました。翌日昼休みの20分間だけAO Skills Labが開放され、熱心な参加者が20名ほど来室された。それぞれ疑問に思ったことを我々に質問し、実験を自分なりにアレンジして行っていたのがとても印象的でした。AO Skills Labは疑問点をその場ですぐに体験実習できることが最大限の特徴であり、今後も発展する実習であると思われました。

【Table instructor】 TIが受ける教育としては、AO Videoでの学習やAO Trauma Japan事務局から配布された資料があります。Off the jobとしての事前学習が必須であり、私自身苦手な部位のVideoを何回も視聴し、本を読んで知識の整理を行い非常に勉強になる機会でした。人に教えるということは自分も理解していないとできるはずはないため、経験も必要ではありますが、TIとしての心構えは重要です。私自身も今回が初めてのTIであったので最初は緊張していましたが、参加者たちのギラギラとした目を見たとたんにそれはすぐに吹っ飛び、参加者たちが楽しんで満足して実習できるよう頑張ろうと気合が入りました。各テーブルには12名の参加者がおり、教える側はTI 1名・Local Faculty 1名の2名であります。TIが各テーブルの場を仕切り、Discussionを進行していかなければならないことを直前に理解し(それまで、私はTIはLocal Facultyの助手だと思っていました…)、最初のPractical exercise(PE)(Advanced Course PHILOS)では十分なDiscussionができたかどうか少し心配ではあります。Advancedの参加者にはエキスパートの先生もおり、逆に教えていただくこともあり、一方通行ではなく両方向でのコミュニケーションをとることができ、非常に勉強になる仕事(TI)であると思われました。

Basic / Advancedともに難しい質問はあまり多くはありませんでしたが、実際の臨床における皮切の位置、プレートの問題や設置位置、イメージの置く位置などの質問が多くみられ、考えることや苦労するところはみんな一緒なのだなと改めて認識しました。特にBasicコースに関しては、ラグスクリューやテンションバンドの基本手技をきちんと習ったことがない・理解していない参加者もおり、更なる教育が必要であると感じました。また、その場その場で各参加者に合わせた目線で実習を進めていくことの大事さを肌で感じることができ、教育というものの難しさを知ることもでき、私にとってこのAOコースにおけるTIの仕事は、とても有意義な時間であったと思います。最後に、私にTIを勧めていただいた君津中央病院 田中正先生、またコース中にお世話になったFaculty / TIの先生、AO Trauma Japan関係者、裏方でPEの準備をテキパキとこなしていただいたスタッフの皆様に深く感謝いたします。本当に有難うございました。