AO Trauma Course – Basic Principles of Fracture Management for ORP Kobe, 2017/8/26 - 8/28 小椋 珠美看護師 (町立別海病院)

私は、北海道根室市の少し上の方にある、町立別海病院に勤めている看護師です。自身の手術室看護師としての経験は10年以上となりますが、今まで骨折・外傷手術の際はただ流れを覚え手術の介助をしているだけでした。医師が言った通りの介助しかできず、なぜこの骨折にこの器械を適応するのか考えられない状態で手術に入っていました。今回、整形外科医師からAOコースの受講を勧められた時に、自分の知識を深めたい、そして整形外科手術の経験が浅い当病院で、習得した知識を他スタッフと共有し、今後の手術に活かしたいと思い、受講させていただきました。事前に、AOコースはタイトなスケジュールでハードな研修と聞いていましたが、聞いていた通りハードな研修でした。講義もついていくのがやっとで、久々に頭をフル回転させた3日間でした。

1日目は、ほぼ講義で骨折分類、骨癒合形態固定法や骨折治療の原則など基礎的なことから、プレートやスクリューなどのインプラントの形状や機能を教えていただきました。私は今まで、骨折手術の際に、貸し出しで持ち込まれた業者の器械を、その時だけ覚え、順番に器械出しをしていました。なぜ、この骨折に対してこのインプラントやスクリュー、プレートを使用しているのかは、あまり考えずにいました。そのため業者の立ち会いがないと器械出しをするのが心配でした。今回、骨折分類や器械の適応の講義を受けたことで、医師が何を基準に手術適応を決めていたのか理解することができました。1日目は半日の講義コースで、ひたすらノートの書き取りをしたため、疲労しましたが、私にとって3日間で一番知識を深めることができ、充実しました。すごく勉強になる半日でした。

2日目、3日目はロッキングスクリュー・プレートによる内固定や脛骨・大腿骨の髄内釘・創外固定などの原理の講義を受け、各骨折手術を行う際の手術室での安全管理などをグループワークで話し合い、その後にPractical Exerciseとして実際に自分たちで骨接合を体験するという行程を繰り返し行いました。  グループワークでは、総合病院や大学病院のような外傷手術の豊富な病院や、自施設のように少ないスタッフと限られた器械で手術を行う病院など、他施設のスタッフたちと話し合いができ、自分の病院でも活用できそうな、いろいろな工夫や経験が意見として出たので、大変参考になりました。

Practical Exerciseでは、実際に医師が行っている手術手技を自分で行うことで、プレートやスクリューの特徴を知り、講義で受けた原理を自分でスクリューなどを挿入することで実感し理解することができました。また、医師が簡単そうにやっている手技もなかなか難しいことがわかりました。器械出しとしては、簡単そうで難しい手技の手術だからこそ、手術しやすいようにスクリューやインプラントがスムーズに入れやすいように介助しようとも思いましたし、自分が手術を経験して、こうやったら入れやすいなというポイントがつかめたような気がするので、今後実践で活かしていきたいと思いました。 AOコース最後には、3日間習ったことをクイズ形式で復習し、より一層理解を深められたと思います。 今回の学習や経験をもとに今後、病院スタッフとも情報共有し、安心安全安楽に患者さんが手術を受けられるように心がけていきたいです。最後に今回、AOコースを受講するにあたり、数多くの先生方、インストラクターの方、スタッフの方のご協力がありこのような充実した研修を受けられたことにとても感謝いたします。