Nottingham University Hospital, UK, 2017/8/7-9/15 森井 北斗先生 (埼玉医科大学総合医療センター)

United Kingdom のNottingham University Hospital , Queen Medical Centre(QMC)で研修させていただきました。

QMCにはUK No.2のMajor trauma centre(イギリスに20カ所程度)があります。年間12000件の新規骨折を治療し4000人の緊急入院を扱っているHigh volume centreです。私が研修したTrauma & Orthopaedics (T&O) departmentは40人程度の外科医が所属しており、12人のconsultantが中心となって年間5000件程度の整形外傷関連手術を行っています。

トップであるProf.CG.Moranはイギリス整形外傷のナショナル・リーダーの一人であり、AO骨折治療第2版のEditorでもあります。
羨ましいことに専用手術室を4部屋持っており、毎日フル稼働させています。 また素晴らしいと感じたことは、夜間の手術をなるべく行わないように配慮 していることです。QMCのT&O departmentでは午後8〜9時を超える手術は翌日に回す、というルールを決めて手術を行っています。本当の緊急手術の適応となる症例は以前より減っているので、件数の割に緊急手術がとても少なく効率的だと感じました。(専用手術室があってこそのシフトだと思いますが・・)

病院とAO Traumaとの契約がobserveでしたので初めは見学のみでしたが、 途中からprofの勧めで契約をHuman resource centre、Occupational health centreに掛け合って変更、最後の2週間は手術に入らせていただきました。
一番印象的であったのは肋骨骨折の内固定です。フレイルチェストの患者さん が術後2日で深呼吸をしてくれたのが衝撃的でした。日本には導入されていない肋骨骨折専用のロッキングプレートの威力を感じました。最近、肋骨内固定の論文が多く出されており、早急に日本でも導入するべきprocedureであると思います。

6週間様々な刺激をもらい、また一歩前進した手応えを感じています。 最後のこのような機会を与えてくださったAO Trauma , AO Trauma Japanの 皆様、不在の穴をカバーしてくださった同僚、許可をくださった上司、そして 長期不在を我慢してくれた家族に感謝したいと思います。本当にありがとう ございました。

写真1: QMC正面玄関
写真2: お世話になったfish & Chips
写真3: 世界中から来ているレジデントと
写真4: Prof.C.G.Moranと