Faculty Education Program Tokyo, 2018/4/14 – 4/15 藤由 崇之先生 (君津中央病院)

AO Trauma FEPに参加いたしましたので報告させていただきます。
過去の参加者レポートにもありますが、FEPは現在まで香港で開催されておりました。しかし、今回は日本人を対象とし、2018年4月14日から4月15日に日本で初めて開催されました。参加者は18名、講師3名、スタッフ3名の総勢24名で1.5日のコースでした。1.5日といっても、Webでの5週間前からの事前学習・事後学習がありました。
Webでの事前学習は1週間毎にTask, Web discussionをノルマとし、Face-to-face event時にプレゼンするスライド作りが課されます。
まず、Test Moduleとして2/23~3/8までAO TraumaホームページからLog inし、今まで使ったことのないところのボタン(自分のホームページ)をクリックし、Your Virtual Learning SpaceからWeb学習に臨むというシステムの使い方を学びます。次に、Week1(3/9-15)はIntroductionとして、自己紹介をWeb discussion上に投稿し参加者全員にアピールし、評価されます。さらに、現時点での自分自身の評価を行い、モチベーションを上げさせます。
Week2(3/16-22)では、How people learnについて勉強します。添付資料として添えられたBookletを読むのですが、「成人教育とは…」という内容で、普段耳にしない言葉や考え方で、うまく英文を理解できず一番くじけそうになったTaskでもあります。Web discussionでは、Motivation学習の重要性について、例題をもとに自分の意見を投稿します。それに対して、Dr. Lap Ki Chanがそれぞれの投稿に回答し、Motivation教育の考え方・指導の仕方を伝授していきます。
Week3(3/23-29)Giving a lectureについて学びます。Lectureの原則、Six-step preparation manualはLectureを構成する上でとても重要なものです。また、Presentation skillを上げるためにどうしたらよいかなどを勉強します。Face-to-face eventで7分間のLecture(自分で興味がある症例で可)をしなければならないので、その準備を行いました。(実際は、Face-to-face event時ギリギリでスライドが出来上がりましたが…) Web discussionでは、AO principles courseの設定でAbsolute stabilityについて20分の講義をしなければならないと仮定します。その時、あなたはどのように構成しますか?と質問に対して、自分の考えを投稿し、Discussionを行いました。
Week4(3/30-4/5)Facilitating small group discussionsについて学びました。 Facilitatorとしての役割、Discussionの進め方、様々な生徒に対する対応の仕方などを学びました。Face-to-face eventで10分間のsmall group discussionをプレゼンすることが課題として出されているため、その準備を行いました(この準備も実際はどんどん後回しとなっていき、当日に何とか出来上がる状況でした)。
Week5(4/6-13) Running a practical exerciseについて学びます。Four-step approachに準じてPEを進めていくのはとても効率的であり、講習者に対して非常に頭に入りやすい教育法であると思いました。また、Table instructorとしての役割、Facultyのピットフォールなどを学びました。Web videoでPEの実践ビデオをみて、Face-to-face eventでプレゼンする内容を考えておきます。また、Web discussionでは、これから行われるLive eventで期待することについて投稿いたしました。

5週間という時が流れるのは早く宿題を山積みとしたまま、Face-to-face event(4/14-15)に突入となりました(言い訳ですが、4/12-14開催の日本脊椎脊髄病学会での口頭発表があり、スライド作りの同時進行はかなりきつかったです)。
まずは自己紹介を兼ねて、「今まで経験したことの中で一番良かったこと」について各自がランダムに発表していくことから始まりました。ジャンルは問わず、個人が感じた様々な良い経験が飛び出し、笑いもあり、最初からアットホームな雰囲気でDiscussionが進んでいきました。私は、中高校時代にハンドボール部に所属し、ハードな練習、試合での勝利・敗北などから部活を通じて学んだ「チームワークの大切さ」が特に自分にとって良い経験であったと発表いたしました。その後、Learning cycle、成人教育での7原則、Feedbackの大切さなどを熱く学び、Live eventへと進みました。
Live eventは、個人それぞれが皆の前で準備したスライドをプレゼンし、その後、発表について評価するという形式です。Feedbackは発表者と司会者がそれぞれ行い、①What went well? ②What would you do next time?に対して、Positive feedbackをするという行為が何回も何回も繰り返されます。決して、「どこどこが悪かった」などは言わずに、「良い点のみ」を評価し、できなかったことは次に頑張ろうというスタンスです。出来の悪い私にとっては、とても救いのあるDiscussionとなり、次は頑張ろうという気になりMotivationが上がるのが身に染みて感じることができました。Positive feedbackとはとても良いものです。プレゼンは、Case presentation 7分、small group discussion 10分を各自で行い、1日目は終了となりました。

夕飯は参加者・スタッフ全員で近くのおしゃれな鉄板焼き居酒屋に出向き、酒を交えながらお互いの友好を深めました。2次会は、ホテルロビーにあるBarに行き、私はモヒート注文し、飲み干した後から記憶は無く、机の上でいびきをかいて寝ていたようです…。すみません。

2日目は、Practical exerciseの実践です。2人一組となり、Moderator, Table instructor, Leaner, Observerの仕事を行います。ここでも、実践終了後は、Feedbackがすぐに行われ、What went well? What should do differently? というやり取りが行われ、PEの進行の仕方、説明の仕方、参加者に対する接し方などの方法を学ぶことができ、非常に勉強になりました。
皆の前でプレゼンした全てはビデオに収められ、終了後に各自にUSBで渡されます。私のビデオは残念ながら、一部しか撮影されておらず全てを見ることはできませんでしたが、非常に反省すべき点がいくつもありました。今後のプレゼンの仕方について再度勉強しなければならないと実感いたしました。

最後に、FEPに参加することができたことに感謝いたしますとともに、参加を勧めてくださいました君津中央病院企業長の田中正先生に感謝いたします。今後、AO TraumaのFacultyを目指して精進していきたいと思います。