Faculty Education Program Tokyo, 2018/4/14 – 4/15 小久保 安朗先生 (福井大学医学部附属病院)

2018年4月14日と15日に東京で開催されたFEPに参加させて頂きました。大変貴重な体験をする事ができ感謝しております。
私は、随分前から大学の教官として働いて参りましたが、このような教育はほとんど経験することがなく、このプログラムを知った時に大変興味を持ちました。大学においても卒後臨床研修指導医講習会、Faculty Developmentの講演会には2回ほど参加したことがありましたが、長い人生の中で教育者になるための教育は受けたことはありません。
「医学教育において、臨床分野の教育者は医師であり、医師になるための教育は受けていても、教育者になるための教育は受けていないため、素人の教師が教育を行っている」とどこかの講演で聴いた時には、なるほどと感心した記憶があります。それでも医学部には毎年入学者があり、その学生に対して講義を行い、臨床実習で指導し、卒後教育を行ってきたことは、果たして良いのかと自省の念が起こることもありました。

ここで少し考えてみたいと思います。何について考えてみるかと申しますと、すぐ上の文章で「教育者になるための教育を受けていない、自分のような人間が教育を行うことは問題があるのではないか」とnegativeな思考を行っていることについてです。
自分の駄目なところを見つけることは、不思議なくらいすぐにできます。反省とは、自分の悪かったところを見つけて、それを改善する方法を考えることであると教えられてきました。いや、教えられていないけれども、そう考えてきたのかもしれません。
今回、lectureのデモンストレーションで、最初に自分の良かったところは?と問われ、まず最初に口から出たのが「時間内にlectureを終えられなかった」でした。悪いところではなく、良かったところを言ってみてと言われましたが、全く思いつきませんでした。

4 steps of giving feedback: 1) ask the learner what went well, 2) share with the learner what you think went well, 3) ask the learner what he would do differently next time, and 4) share with the learner what you think he could do differently next time. これを学んだことが、今回のプログラムでの最も大きな収穫です。

The 7 principles of educationの1つにpositive feedbackがありますが、この順でfeedbackすることを、この2日間はいつも体感していました。
Lecture、small group discussion、table instructorのデモンストレーションでは、毎回feedbackがあり、feedbackしたparticipant対するfeedbackもあり、feedbackが習慣となりました。最初は難しく感じたpositive feedbackも、次第にできるようになっていきました。

今回のFEPに参加して、lecture、small group discussion、table instructorを行う際に、どのように組み立てていくか、どのように進めていくかについて多くを学びました。また、feedbackの効果を体感したことは、今後の人生をpositiveに生きることができるような気さえします。是非、様々な場面で使ってみようと思います。