Faculty Education Program Tokyo, 2018/4/14 – 4/15 土井 武先生 (岡山赤十字病院)
噂には聞いていたがFEPは予想以上にタフであった。まずは開催の6週間ほど前からインターネットでの受講前タスク(宿題)が毎週のように送られてきてしまう。仕事の忙しさを甘えの材料にして期日を過ぎてしまうと励ましのメールが届く。タスクはビデオを見てマルチプルチョイスの質問に答える形式の問題が多かったが、受験英語しか経験のない私は文法や単語の間違えを探そうとするがそこからは正解は得られない。一回のタスクに数時間を要してしまいかなり疲れることを覚悟しておかねばらない。
これまでに成人教育は我流で行ってきたケースが多いため新しく学ぶことや知識の整理にとても有効であった。例えば学習のサイクルはExperience, Observation, Thinking, Actionを循環させることで学ぶ意欲を継続させることができる。またLearning pyramidを見ると講義、モデルボーンを使用したexercise、ケースディスカッションから構成されるAOコースは優れた教育理念の基に行われていることがわかる。またその理念には7つの原則があり今回のEducatorであるLap Ki Chanが参加者とのエピソードの中から引き出して説明していく手法は大変印象的であり興味深かった。特にフィードバックは「何が良かったか?」とポジティブを求め、「次はどうやればもっとよくなるか?」と建設的なことを考えさせる方法であった。これまでのフィードバックは「ここはこうしたほうがよかった」とか「もっとこうするべきだった」など反省会のような感じであったため本来のfeedbackのあり方がわかった。
次のタスクは講義の方法で教える側のあり方などを学習した。これも準備にステップがあり原則が存在している。また陥りやすいピットフォールが挙げられていたが振り返って見るとこれまでにかなりの穴に落ちていたようで焦ってしまった。 LECTUREの頭文字になぞらえたプレゼンテーションスキル向上の秘訣は文字にすると簡単そうであるが実際にはなかなか難しいだろうと予想される。私自身もスライドを読む癖がありなかなか受講者へ目を配ったり、心がけてはいるがユーモアを含め喋ったりするのは簡単ではない。当面の課題であると思われた。ハンドアウトはこれまであまり重要に考えていなかったが大変強力なツールである。特に空白の使い方は受講者自身に考えさせる良い教材になるので活用して行きたい。
最後にsmall group discussionについてであるがこれは講義の知識やこれまでに得た技術を用いて症例の疑似体験が出来る大切な時間となる。ファシリテーターは症例の準備だけでなく会場設定やその場の雰囲気なども考慮する必要があることに気付かされた。国内のコースでは母国語が共通言語になるので細かなアプローチがまだできるがinternationalなコースになるとハードルは高くなる。色々はタイプの参加者をどう扱うかというtipsは大変参考になった。
FEPではこれからもコースや様々な講習会に関わっていく中で重要なエッセンスを教えてもらった。ただ一度では十分に理解できてはいないし、利用できるとも思えないので事あるごとに資料を紐解き、確認していく必要があると思われる。まさに教えるためにいろいろなことを教わらなければならない。