Leeds Teaching Hospitals NHS Trust, Leeds, United Kingdom , 2026/8/10〜9/18 出宮 光二 先生 (岡山市立市民病院 整形外科)

2026年8月10日から9月18日までの6週間、Leeds Teaching Hospitals NHS TrustにてAO Trauma Fellowshipとして研修する機会をいただきました。

Leedsを研修先として選択した最大の理由は、重症外傷に加え、偽関節や骨欠損などの難治性骨折治療について学びたいと考えたためです。特に、骨折治癒におけるDiamond conceptを提唱し、外傷再建・骨再生分野を牽引されているGiannoudis教授のもとで、実際の治療戦略を学べることに大きな魅力を感じました。

研修は毎朝8時のカンファレンスから始まり、前日の救急搬送患者や術後症例、当日の手術予定症例について議論が行われていました。手術では骨盤・寛骨臼骨折、開放骨折、偽関節、感染など幅広い症例を見学しました。特に偽関節の症例についても数例手術見学ができ、文献で学んできたDiamond conceptを、実際の症例を通してより具体的に理解することができました。

写真 1 Giannoudis教授と

今回の研修で最も印象に残ったことの一つが、Giannoudis教授の外来です。重症外傷後や偽関節に対して複数回の手術を受けている患者が多く来院していましたが、教授は一人一人を丁寧に診察し、画像や骨癒合の状態だけでなく、患者の質問にも時間をかけて答えていました。さらに、次の治療だけでなく、今後の生活や予想される経過についても患者と丁寧に話し合っていました。

外来終了後、患者との信頼関係が非常に強いことが印象的だったとお伝えしたところ、「患者から信頼を得るためには、患者のためにbestを尽くさなければならない」という趣旨の言葉をいただきました。この言葉は今回のfellowshipの中で特に心に残っています。高度な手術手技や治療戦略だけでなく、一人一人の患者に最善を尽くす姿勢そのものが、長期にわたる治療を必要とする重症外傷患者との信頼関係につながるのだと感じました。

また、Leedsではさまざまな国から集まった同年代のfellowと交流する機会にも恵まれました。診療や手術について議論するだけでなく、それぞれの国の医療制度、整形外科医の働き方、専門医教育やキャリアについて率直に話し合うことができました。同じ世代の医師であっても、置かれている医療環境や価値観には大きな違いがあり、それぞれの国の事情を知ることは非常に刺激的で、今回のfellowshipにおける大きな学びの一つとなりました。

写真 2 Giannoudis教授、fellowとLeedsの日本食レストランにて
写真 3 各国のfellowとLeedsのPubにて

Leedsで得た知識や経験、そして現地で築くことのできた多くのつながりを、帰国後の日常診療だけでなく、後輩への教育や今後の臨床研究にもつなげていきたいと考えています。

最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださいましたAO TraumaならびにAO Trauma Japanの皆様、Giannoudis教授をはじめLeeds Teaching Hospitals NHS Trustの先生方、スタッフの皆様、そして長期間の不在を支えてくださった岡山市立市民病院整形外科の皆様に心より感謝申し上げます。