2019年12月1日よりダボスで開催された骨盤/寛骨臼コースに参加してきましたので報告します。今回はAO Trauma Japanの教育委員5名が参加してきましたので、私はダボスコースの魅力について報告します。
AOがflagship courseと謳っているように、私にとってダボスコースの最大の魅力はその多様性です。ファカルティーも北米、ヨーロッパ、南米そしてアジアパシフィックと世界中から集まり、論文でしか知らなかった先生が会場のあちらこちらにいて、整形外傷医を志す者にとってはロックスターだらけのコースです。
日本では北米やドイツの先生方はおなじみかと思いますが、今回は国内ファカルティーとしてスイスからも3名の先生が参加され、Pararectus approachで有名なKeelやLCPの使用原則でplate screw ratioを提唱したGautierなどがいて、お茶目な側面やGantzの指導を受けたBern大学魂を随所に感じることができました。

北米とヨーロッパでは骨盤輪骨折に対する初期治療のアルゴリズムが大きく異なり、C -clamp からパッキングという流れとバインダーからTAEという流れの大きな文化の違いを再確認し、それぞれのトレーニングシステムの違いに大きく影響しているようでした。
南米やインドからは受傷して1ヶ月以上経過した症例が提示され、日本と大きく異なる医療事情があるにしても、その治療は凄まじいものでした。しかしFFPなどで転位した症例を治療しなければならない状況にある日本の医師には非常に参考になりました。
参加者は25カ国から72名が参加して、アフリカからは日本に留学されていた先生もいました。共通の知人がいるとあっという間に仲良くなるものでルワンダやウガンダの医療情勢も知ることができました。コースはディスカッションが多く、最長3時間のセッションもあり、同じグループにインドから4名が参加していて発想が大胆で話を持っていかれそうになるのをなんとか阻止しながら、ファカルティーも日本とは違うお茶目な側面を見せてくれながら様々な事を学びました。プラクティカルはポーランドのミヒャエルと組みましたが、来たりこなかったりと大変でしたが、よく知らない東欧の情報も得ることができました。隣の先生からパワーツールやドライバーを取られそうになりながらUCLA のJohnson 先生からも様々なコツを伝授してもらえました。このような世界観もダボスならではと思います。

骨盤コースは1983年にLetournelがコースのguest of honor として講演したParsenという部屋で今でも開催されています。Letournelが情熱を持って若い先生を教育していたのをお弟子さんだったファカルティーの先生が受け継いでコースは開催されていると知り、とても感銘を受けました。自分は果たしてどのくらいの情熱を持ってコースに関わっているかと改めて考えさせられました。毎度のことですが海外に出るたびに新しい発見をし、日本の素晴らしさも再認識できます。日本ではあり得ないような様々なストレスも体験するかもしれませんが、ロックスターに会いに行く軽い感覚で多くの先生におススメです。2020年に是非渡航してみて下さい。
最後になりましたがこのような機会を与えていただいたAO Trauma Asia Pacific並びに留守を預かってくれた長崎大学病院の先生に深謝いたします。

写真1:参加の5名
写真2:プラクティカルの相棒ミヒャエルと共に
    ディスカッショングループ インド系に大苦戦
写真3:フォンデュを囲みチームジャパンで親睦を深めました。