2019年12月1日から6日までスイスのダボスにて開催されたAO Trauma Pelvic Acetabularコースに参加してきました。全参加者70人のうち日本からは7人が参加しておりました。
11月30日朝11時発の成田発のSwiss LX161便に搭乗し、約13時間のフライトで、スイスのチューリヒ(Zurich)に降り立ちました。思ったより足元も広く、快適なフライトでした。
チューリヒからは、電車に乗って一路ダボスを目指します。空港発は本数が少なく、1時間に一本しかない電車を逃すとホテルへの到着は夜の8時になってしまいます。速足でホームに向かいチケットを手に入れるや、到着していた電車に乗り込みました。チューリッヒ中央駅(Zurich Hauptbahnhof)、Landquart駅で2回の乗り換えをし、ダボス(Davos)への到着は夕方の6時でした。
今年はまだ暖かいのでしょうか?15年前に訪れたダボスのメインストリートには雪はほとんどありません。出発直前に購入した雪道用のトレッキングの活躍の場はないのかもしれないなとすこし残念な気持ちになりました。土曜日の夕方はもうほとんどの店は閉まっています。すぐさまホテルにチェックイン、夕食に一杯のスイスビールと簡単な食事をとると、長旅の疲れもあり、あっという間に眠りにつきました。ホテルは、Davos platz駅から徒歩10分ぐらいのところにあるMorosani hotel Schweizerhofでした。さすがは4つ星というクオリティで部屋も広く清潔で朝食も素晴らしいものでした。

翌日12月1日はAO Course初日で15時から受付が開始、17時からオープニングセレモニーが始まります。ゆっくりしてやろうと思っていましたが、日本よりも8時間遅いために、朝2時には目がぱっちりと覚めてしまいます。朝食を7時のオープンと同時にとり、セレモニーまで9時間もある。これは行くしかないということで、いざParsenn。Davosでは一番人気のあるスキー場です。スキーとブーツ、そしてウェアまですべてレンタルし、準備は完璧です。ゴンドラで山頂のヒュッテまで登るとそこには、見たこともないような美しいアルプスの山々が雪をまとって壮大な景色が広がっていました。
スキー場が広いおかげで、多くのスキーヤーがいるにも関わらず、ぶつかりそうになることもなく、ゆったりと滑ることができました。雪質もよく本当に気持ちよく滑ることができたと思ったのもつかの間、10年以上ぶりのスキーは思っていたよりも格段につらく、1時間も滑ると膝が笑って動かなくなってきました。15年前にここに来たときは毎日数時間滑っていたのに、体の衰えを実感した瞬間でした。

セレモニーはDavos Congress Centreで行われました。President Robert McGuire先生のあいさつを兼ねたプレゼンテーションの際にFounderのひとりStephan Perren先生の訃報を聞かされました。11月21日に逝去されたとのことで、生前のPerren先生との会談を録画したビデオが数分間流されました。私にとってもなじみの深い“Strain Theory”のPerren先生、こんなに穏やかで優しそうな人物だったのだと感じるとともに、AO特にResearch instituteにとってはとても大きな喪失であったことがうかがい知れました。
悲しい報告の後にはうれしい報告があります。セレモニーの後にはAO Trauma Asia Pacific (AOTAP)の計らいで、日本人参加者の懇親会が開催されました。会場はPlatz駅の目の前にあるGrischa hotel一階のレストランで、開始は6時半でしたが、そのころには雪がちらつき始めていました。降ってくる雪をマフラーと手袋で防御して、ホテルから徒歩で10分ぐらい行くとそこには暖かい空間が広がっていました。中心には、Pelvic Acetabular Course facultyの澤口先生、Basic Principle Course facultyの野田先生が座り、周りを宮本先生、土井先生、塩田先生を含むコース参加者が取り囲んでいます。AO Trauma Japanの結束、親睦を深める最高の舞台が演出されていました。そして、今にもディナーが開始しようとする直前に、日本からの参加者の集まりのはずなのにAOTAP 会長のCW Oh先生がいつもの温かい笑顔で登場されました。さらには前AO会長のSuthorn先生が登場し、2人の重鎮が澤口先生の両隣の席に座られました。そこで、CW Oh先生から次期AOTAP会長に澤口先生が選任されたことを報告されました。2020年はPresident elect、2021年からの3年間が会長としての任務につかれるとのことです。AO Trauma Japanにとってはこの上ない出来事で、CW Oh先生、そしてSuthorn先生からご挨拶をいただきました。我々も末席でこっそりと喜びをかみしめておりました。スイスのワインはとてもおいしくフランスやイタリアのワインに引けを取りませんが、生産量が少なく、日本で入手することは困難とのことです。スイスに来ると、チーズフォンデュを食べながらスイスワインを味わうというのが自分の頭の中でも描いていたことです。翌日からのコースへの期待と異国文化に触れる喜びを感じながら、雪の中をホテルまで足を進めました。

この後5日間にわたるコースの詳細に関しては、他の参加者からの報告にゆだねることにしますが、講義とプラクティカルエクササイズ、スモールグループディスカッションに加え
カダバートレーニングも盛り込まれており、有意義な反面、精神的にも肉体的にもタフなコースでした。特にこのコースは大半がディスカッションに割かれており、レクチャーの占める割合は低くなっていました。日本人として国際的な舞台で少しでも爪痕を残せるようにという気持ちで臨み、少しは絡んでいくことができましたが、同時に海外からの参加者と渡り合うにはもっといろいろな努力が必要だということを実感させられました。
今後も是非とも海外に足を運び、学びとともに自分の意見も積極的にシェアしていきたいと思います。今回はこのような有意義な機会を与えていただいたAO Trauma関係者の皆様に心より感謝いたします。

写真1:AO Course レセプションセレモニー
写真2:Parsenn山頂にて
    奥 著者、中央 上田先生、前 塩田先生
写真3:懇親会にて
    左 Suthorn先生、中央 澤口先生、右 CW Oh先生
写真4:AOTAP懇親会にて
    左より上田先生、著者、HK Oh先生(韓国)、澤口先生、塩田先生、宮本先生、野田先生、土井先生