AO Trauma Faculty Education Program (FEP) Hong Kong, 2019/9/28 – 9/29 善家 雄吉先生 (産業医科大学)

はじめに
このたび、香港で開催されたFaculty education program(FEP)に参加する機会を得ることが出来ましたので報告致します。私はこのFEPの事前学習を2回受けることが出来たとても貴重な人間であります。昨年、私は日本で初めて開催されるFEPに参加するために、志を同じくするたくさんの仲間たちと切磋琢磨しながら、楽しく事前学習に励んでおりました。あとはいよいよ本番だという前泊中に急遽入院となってしまい、本番を迎えることなく窓から東京タワーの見える病床で過ごすことになっておりました。

事前学習二度目の挑戦
前回、事前学習までは張り切って参加したので、FEPの「certification」はなくてもそのエッセンスは理解したつもりでいました。但し、参加した先生方によると「本番が全てだよ」ということでしたので、いつか機会があれば「捲土重来、頑張ろう!」と思っておりました。幸いにして、今年の香港でのFEPに岡山ろうさい病院の依光正則先生と参加することが叶いました!事務局の方々本当にお世話になりました。2年越しの実現ですので、誰よりも思い入れは深いし、むしろ今回の香港FEPのメンバーの中では自分が引っ張る存在になってやろう!くらいの気持ちでおりました(*実際、昨年課題を作成していたので、web提出では、そのmodificationで済んだことは強みでした)。今年のタスクも昨年同様にこなしていきました。内容に関しては、過去に多くの先生方が述べており、詳細に書かれておりますので参考にして頂ければと思います。
コンテンツ内で、week1 : Introduction、week2 : How people learn? week3 : Giving a lecture, week4 : Facilitation small group discussion, week5 : Running a practical exerciseとあった中で、week2の課題はやや抽象的なので、文献の理解が伴わず不安なところではありました(本番での実際は、全てを理解するうえで基礎となる考え方なので重要な分野でもありました)。その他は、非常に具体的な内容で実践に即していましたので、web上でのdiscussionも楽しめました。ただし、昨年の日本開催の時よりも課題を終えていない参加者が多かったような印象です。やはり日本人は真面目なのでしょう。残念だったのは、online quizの成績は2回目なのにさほど良くなかった点です(結構、忘れてしまっていました・・・)。

いよいよ待ちに待った本番
今年、香港はデモで空港や市内が閉鎖されるという事態があったため、開催が危ぶまれており、直前までハラハラしておりました(*今年参加出来なければ自分にはFEPは縁がないのだろうと・・・)。関係者、講師、参加者の安全のため空港内のホテルで開催することが決まり、いよいよ本番に臨みました。
初日の朝、アジアパシフィック各国の参加者19名と講師3名が初めて顔を合わせました。事前学習と討論で馴染みのあった面々との初顔合わせでワクワクしました。ほぼnative speakerの方々ばかりの中ですので、いかに良いタイミングで、インパクトのあるwordを選んで発言していくかということを意識しました。これは日本でも同じことで、ただ多くを語るのではなく、発言に重みが出るべく、良いタイミングで気の利いたことを言うということです。Introductionから始まって、「今まで経験した中で最高の学びの経験は?」という質問に挙手制で答えていくというもので、私は少し状況を伺いつつ、比較的早めの4番目くらいに発言することが出来て、無事に終えられたことが自分の中のice breakingになったと思います。ただし、nativeの参加者たちが難なくこなしている「微妙なニュアンスを伝えること」にもどかしさを痛烈に感じてしまいます。これが語学の壁なのだと改めて思います。その後、学びの7 principles(Motivation, Reflection, Feedback, Outcome based, Interactive, Need, Relevance)を再確認しながら参加者で理解を深めていきました。

What went well?What will you do differently next time?
1日目のGiving a lectureは7分間のプレゼンテーション、Small group discussionは10分間で症例検討をマネージメントすることを行いました。また2日目にpractical exerciseをOskitという骨接合専用の簡易キットを用いて進めましたが、基本2人が1組になり、インストラクター(主導役)、受講生役、観察者役をそれぞれ体験致します。昨年の東京FEPコースでは、日本人同士のみだったので、おそらくなかったのではないかという点として、「受講生役がわざとインストラクターを困らせる」というシチュエーションがありました。これら全てに共通して言えることはfeedbackの重要性で、決して否定的な意見ではなく、肯定的に前向きに一緒に考えていくという姿勢の重要性が強調されました。この学びは、自分にとってはわかっていた積りでも実践できていないことも多く、大いに反省させられました。現在の大学での教育職をはじめ、AO TraumaコースやJATECコースでのインストラクションに大いにプラスになることですし、医療職以外でも子供への教育にも十分に活かせるポイントであり、本番でストレスを感じ悪戦苦闘しながらも参加出来たことに喜びを感じました。

さいごに
一緒に日本から参加した依光先生とは以前からの顔見知りであり、同門の仲間よりも良く会っている先生で、気心が知れていたためとても心強い存在でした。また、ちょうど日本でラグビーのワールドカップが開催されていた時期で、日本チームがアイルランドに勝利するという歴史的な日でもありました。ニュージーランドやオーストラリアの先生たちと「決勝ラウンドで戦いましょう!」と誓い合ったことも良い経験です。FEPの内容もさることながら、それ以外の場面でもこのように海外の先生方と交流を深めることが出来たことは香港まで来させて頂いた甲斐があったというものです。今後、教育を担当する身において、このような洗練されたプログラムを用いて貴重な体験をすることが出来ましたこと、厚く御礼申し上げます。帰りの飛行機内で、頂いたUSBで自分のプレゼンテーション動画を苦笑いしながら見ていたことは言うまでもありません・・・。さいごに、多くの関係して下さった方々に深謝致します。このような素敵な経験は必ず還元していかなければならないと思っております。今後ともどうぞ宜しくお願いします!
*追伸:この度「イレウス」と「FEP」いう貴重な経験を経て、多くのことを見つめ直す良い機会となりました。今ではZKK(善家健全化計画)のもと、週末早朝登山や遠征先でのジョギングなど生活習慣まで変わってきておりますことを報告し、長い文章を終えたいと思います。最後までお読み頂き有難うございました。