E-DA Hospital, Taiwan , 2026/8/3-9/12 濱田 大志 先生 (国立病院機構 仙台医療センター 外傷センター / 東北ハンドサージャリーセンター)
2026年8月3日から9月12日までの6週間、AO Trauma Fellowshipとして、台湾、高雄市のE-DA Hospital(義大醫院)を訪問させて頂きました。E-DA HospitalはI-Shou University(義守大學)を併設する大規模な私立病院で、整形外科はProf. Yuan-Kun Tu(杜元坤)のもと、腕神経叢損傷に対する神経再建で世界的に知られています。
私は仙台で外傷、手外科・マイクロサージャリーの診療に従事しており、今回は①腕神経叢損傷に対する神経移行術を中心とした再建戦略、②手外科・関節鏡手術の2点に特に焦点を当てて学ぶことを目的に渡航しました。
フェローシップ1週目に自己紹介のプレゼンテーションの機会を頂き、その後は朝のカンファレンスと手術参加が中心の毎日でした。基本的には月曜日から金曜日まで手術を見学させて頂き、火曜日と金曜日は7時15分から全体カンファレンスが行われました。カンファレンスはすべて英語で行われ、residentの発表の後にattendingが関連するtopicを交えて総括し、活発な討論が交わされていました。英語についていくのがやっとの日もありましたが、スタッフの方々は大変親切で、わからないときに聞き直すとゆっくり丁寧に解説して下さり、大変助けられました。また、期間は2週間ずれていましたが、同時期に琉球大学から米田晋先生も来られており、豊富なご経験をもとに琉球大学でのやり方や他の方法について伺ったり、自分がE-DA Hospitalで理解しきれなかったことをdiscussionしたりしながら共に学べたことは、大きな励みとなりました。

腕神経叢の手術では、健側C7神経移行術(CC7)をはじめ、副神経移行、Oberlin法、Somsak法、前骨間神経移行など多彩な神経移行術を数多く経験しました。また、手術手技だけでなく、診断やdecision makingについても先生方と討論しながら学べたことは大きな財産です。特に、Tu教授が複数の手術室を並行して使い、毎日膨大な数の症例をこなしていることには驚かされました。スタッフの皆さんがTu教授に深い敬意を抱いていることも伝わってきました。診療以外の面でも圧倒的な仕事量と情熱をお持ちで、大変刺激を受けました。
そのほか、手関節鏡や手外科の変性疾患の手術にも数多く参加させて頂きました。Wu教授の関節鏡手技は非常に高度で、深く感銘を受けました。Wu教授からはTFCC縫合、DRUJ不安定症に対する再建、CM関節症に対する関節形成術など、手外科領域を中心に学ばせていただき、大変勉強になりました。
また、期間中の8月末には台南で開催されたAO Trauma Masters Course—Lower Extremity with Anatomical Specimensに参加させて頂き、Facultyとして来られていた宮本先生をはじめ、台湾や各国の先生方とdiscussionを行うことができ、大変貴重な機会となりました。Masters Courseへの参加は2回目でしたが、通常のコースよりもレベルの高い講義と英語でのdiscussionが中心で、初日はついていくのがやっとでしたが、2日目頃からは慣れてきて大変勉強になりました。AOコースを通じて海外で外傷治療を普及していくことは、海外の人々の役に立つことにつながると感じ、今後はAOの活動にも尽力したいと考えるようになりました。
週末や勤務時間外には、毎日のように食事や台湾観光に連れて行って頂き、暇な時間がないほどで、台湾の皆さんのhospitalityを肌で感じました。特に、Wu教授の故郷である嘉義の阿里山に連れて行って頂いたことは大変印象的で、Wu教授とゆっくりお話しする時間を持つことができました。Wu教授はお人柄・手術の技量ともに大変素晴らしく、外科医として強い憧れを抱きました。

平日・週末ともに大変充実した毎日を過ごし、見たかった手術はすべて見学することができました。かけがえのない6週間になったと感じています。いつか台湾の先生方にこのご恩をお返しできればと思っております。また機会があれば、再びE-DA Hospitalを訪問したいと考えています。
最後に、この様な機会を与えて頂いたAO Trauma Japanの諸先生方、温かく受け入れて下さったTu教授、Wu教授、Ma教授をはじめE-DA Hospitalのスタッフの皆様、そして不在中の診療を支えて下さった仙台医療センターの先生方に心より感謝申し上げます。

