AO Trauma Course – Advanced Principles of Fracture Management Yokohama, 2016/2/18-20 市村 晴充先生 (筑波メディカルセンター病院)
3年前にBasic Courseに参加してAO法の基本について勉強させていただきましたが、外傷整形外科治療に関わるものとしてより深くAO法について勉強をしていきたいと思いAO Trauma Course – Advanced Principles of Fracture Managementに参加させていただきましたのでご報告いたします。コース全体の流れとしては、講義があり、その後にその分野のSmall group discussionを行う形でした。講義はAOの歴史から始まり、上肢分野では鎖骨、上腕骨、肘、前腕、手関節、下肢分野は大腿骨、下腿骨、足関節、足と進み、さらに脆弱性骨折、開放骨折、多発外傷、骨盤輪、寛骨臼などの各骨折、偽関節、感染など骨折に伴って起こる諸問題についてと骨折全般にわたるものでした。それぞれの部位について15-25分で非常に簡潔にまとめられたプレゼンテーションであり、3日間という短期間の中で、骨折についてのこれまでの知識を整理するとともに、最近の知見を学ぶことができ非常に勉強になりました。
Small group discussion は、Facultyの先生に提示していただいた難治症例や経過に問題のある症例について、その分類、アプローチ、固定方法、問題点などについて議論する形式でした。自分自身が卒後19年目であり、他の参加される先生方の経験年数が気になるところの一つでしたが、その半分が経験年数10年目以上の先生であり、各先生方の経験なども交えてかなり深い議論をすることができました。また、英語があまり得意と言えないので、International FacultyやRegional Facultyの先生の講義や討論に多少不安がありましたが、通訳の方の同時通訳やLocal Facultyの先生方の丁寧な説明があり問題なく過す事ができました。
講義の合間にはPractical exerciseがあり、ここでは2人一組で軟部付きの模擬骨を用いて上腕骨近位、遠位及び脛骨近位、遠位の合計4箇所の粉砕骨折の固定の方法を実習形式で学びました。軟部付きの模擬骨でしたので皮切から始まり、骨折部の整復、仮固定から本固定を行うものでした。担当の2人のTable Instructorの先生方とともに、示された話題についての議論を行い、その骨折に対する戦略を学びながら、実践してみることで理解を深めることができました。また、Table Instructorの先生のほかにも多くのFacultyの先生方がその場にいらっしゃるため、普段とは違う角度からの骨折へのアプローチ、整復の仕方や固定の順序など明日から使える実践的なTipsを数多く教えていただくことができました。議論をしたり、整復にこだわったりして、最終固定までたどり着かないこともありましたが、楽しく学ぶことができました。
勉強以外にも、1日目の夜にはCourse reception があり、Basic Courseに参加されていた先生方とともにFacultyの先生方と食事やお酒を飲みながら様々な話をして親交を深めることができました。ちなみに、2日目にはチームTで横浜中華街に繰り出して食べ歩きをして、交流をしながら骨折治療について大いに語り明かし、とても楽しい時間をすごすことができました。 3日間の今回のコースを通して、骨折治療について非常に多くのことを学ぶことができました。これからもSpecialty Courseさらに先にあるMasters Courseへの参加を目指し勉強を続けて行きたいと考えております。最後にChairpersonの澤口 毅先生をはじめ、Facultyの先生方、そしてこのCourseを支えてくださったスタッフのみなさんに御礼申し上げます。