Faculty Education Program Tokyo, 2018/4/14 – 4/15 林 博志先生 (富山県厚生連滑川病院)

今回2018年4月14日〜15日、東京で開催されたFaculty Education Programに参加させていただきました。開催されるおよそ半年前の9月にAO Trauma Japan事務局からのアナウンスがありました。対象者がすべて内容は英語とのことですが、参加者は日本人のみということなので安心感があり参加を申し込みました。
参加が受理され、2月中旬(開催から2カ月前)にFEPからメールで指示が届きました。そこでバーチャルラーニングスペースにログインして使用用法に慣れることが指示されます。私の場合通常使っているAO Traumaのログインナンバーとパスワードではログイン出来なかったので、FEP用に別のログインナンバーとパスワードをいただいてようやくログイン可能となりました。

そして開催5週間前の3月9日からオンラインでのプレコースが始まりました。5週間にわたり毎週様々な課題が出されます。それぞれにlearning outcomeが示され、それらに応じた回答や対応が求められます。慣れない英語での回答が必要なので必要以上に時間がかかり苦労しました。特に3週目のgiving a lectureと4週目のsmall group discussion、5週目のpractical exerciseについては事前に準備して当日プレゼンテーションが課せられます。中でもgiving a lectureとsmall group discussionでは各自が当日プレゼンテーションするための資料をオリジナルで準備しなければなりません。日常の業務の間にこれらの準備をこなすが大変でした。
プレコースが始まるおよそ3週間前の2月下旬にバーチャルラーニングスペースに入れるようになりますが、この時にプレコースで使用する資料がダウンロード出来ます。私のように要領がイマイチの人や時間のない人は、早々にダウンロードして事前に少しずつ資料に目を通しておけば時間にゆとりが出来きるかもしれません。

Online preparationが終了し、4月14日からいよいよlive eventとなります。前日の13日に現地へ入り、第1日目は朝7時半からの登録開始です。日本人のみの参加なので多くの参加者は面識がありました。内容は全て英語ですが顔見知り同士なのではじめからリラックスした雰囲気で始まりました。
まず午前中の半分はLap Ki Chan教授によるレクチャーです。内容は配布された資料の“How people learn”に沿ったものだと思われます。我々に気を遣ってゆっくりわかりやすく講義していただいていたと思いますが、自分の英語リスニング力が足りず、十分理解出来なかったのが残念です。時間があれば配付資料の“How people learn”を直前に読んでおくと理解が深まったと思います。
午前中の後半は“Giving lecture”です。各自が準備したプレゼンテーションの発表です。7分間でテーマは自由、私は“Prevention of recurrent hip fracture”というテーマで作製し発表しました。AOコースのlectureに準じたものにするか、違うものにするか非常に迷いましたが、オーディエンスにとっては新鮮に聞ける内容が望ましいと思ったのでAOコースと少し方向の違うものにしました。
このlectureの準備には私の場合多くの時間と労力を使いました。事前にonline precourseでlectureについて学び、それを参考に内容を構築します。例えば情報量は多すぎない、シンプルに、そして参加を促すようなメッセージ、構成は最初のsetでの“つかみ”、メインのdialogueでポイントは3から5個に絞る、最後のclosureでのtake home messageの提示。また口調はゆっくり、はっきり、ボディーランゲージにも気を遣う等々、これを慣れない英語で仕上げなければいけないので非常に準備が大変でした。実際、ボディーランゲージは出来ませんでしたが幸い発表についてはそれなりに出来たように思います。
発表直後に自己評価とobserverによる評価があります。このfeedback方法はこの後に続くsmall group discussionとpractical exerciseでも同様に行われます。ここで行う自己と他者によるfeedback方法がFEPで学び取る大切な部分だと思います。まずobserverより“What went well ?”“何がよく出来たか?”を質問されそれに答えます。次にobserverが“何がよく出来たか?”について評価します。そして“What will you do differently next time ?”と質問されそれに答えます。同様にobserverが“What will you do differently next time ?”について述べます。このようにして繰り返しfeedbackを行うのです。特に講義の中で“No feedback, no learning”とも述べられており、feedbackの重要性が説かれていました。通常、我々はいろいろなことを反省して次に生かそうとしますが、まず“何が悪かったか”とnegativeに考えます。
FEPでは第一にpositive思考で“何が良かったか”を考えます。今回学んだことの一つとしてまず良かったところから考えることがとても印象的でした。

準備が少し大変でしたが、初めて教育について学ぶことが出来ました。一方で初めての2日間にわたる英語漬けでの疲労感と内容についても多少消化不良のところも確かにあります。もう少し自分の中で整理する必要がありますが、とてもいい機会を与えていただきました。

今回お世話になったfacultyの先生方、AO Trauma Japanの方々、楽しく一緒に学んだ先生達に感謝です。ありがとうございました。